誰しもが人恋しい夕間暮れ―――こういうと、人は誤解するかもしれない。
しかし私はあえて、センチメンタルでは無くこう云わせていただこう。
“誰しもが人恋しい夕間暮れ”と。
それは、これから迎える“夜”にそなえての防衛本能なのである。
『大竹野正典 劇集成<Ⅱ>』の一番目に収録されている『夜が掴む』は
こんなト書きから始まります。
ト書き。
お芝居では表に出ない、劇集成だからこそ触れられる大竹野さんの魅力がここにも息づいているなぁ。
2月から始まるくじら企画主催、
「一緒に読んでみよう」シーズン2に向けて手にした劇集成Ⅱをめくりながら、
改めての発見です。
今日の表題『埒も無いほど美しい。』は
劇集成の刊行委員長、小堀純さんが巻頭で書かれている文章の、
結びの一節にある言葉。
劇集成Ⅱには、大竹野さんの犬の事ム所時代の作品6編のほか、
エッセイや詩も収録されていて『埒も無いこと』という文があるのです。
その流れから発せられた『埒も無いほど美しい』というフレーズが、
いま頭の中をぐるぐるしてます。
OH!愛しのお芝居よ~(笑)
『埒の無いこと』は読んでも読んでも読んでも、読みたい、私の大好きなエッセイです。
台詞だけでなく、大竹野さんがぎゅうぎゅう詰まった言葉たちを
劇集成を手にしてじっくり堪能していただいたり、
「一緒に読んでみよう」に参加してみんなで触れてみたり、
ぜひ多くの方々に楽しんでいただきたいと願っています
『大竹野正典 劇集成<Ⅱ>』
収録作品:夜が摑む/Kのトランク/リボルバー/トーフの心臓/サラサーテの盤/ドアの向こうの薔薇/エッセー・詩など5編。
当時の姿を綴った「犬の肖像」を附す。
定価は本体2,800円+税
お問合わせ先:kujira@dsk.zaq.ne.jp
もちろん『大竹野正典 劇集成<Ⅰ>』も引き続き絶賛発売中です
おぐりんのブログに「一緒に読んでみよう」シーズン2の詳細が
一緒に読んでみようの雰囲気がわかる写真とともに掲載されています。
ご興味ある方方々、どうぞ覗いてみて下さい。
http://blog.livedoor.jp/ogurikazue/archives/52025550.html
日程の詳細は、こちらにもコピペさせてもらっておきますね。
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【日 時】
●其の4 2014年 2月25日(火)
「夜が掴む」
かつて、団地でピアノを弾く音がうるさいと子供二人とその母親を
包丁で刺殺した男がいた。
この事件を元に、一人小さな部屋の中で増殖した悪夢に怯える男と、
やはり一人黙ってピアノを弾く少女との一瞬の邂逅と別離。
●其の5 2014年 3月25日(火)
「サラサーテの盤」
内田百閒の一連の小説をもとに構成。
人から借りて返さなかったもの、
誰から借りたのかさえ忘れてしまった物たち。
自分の手のひらからパラパラとこぼれていった人たちの
思い出がつづられていく。
●其の6 2014年 4月22日(火)
「ドアの向こうの薔薇」
どこの国なんだか分からない。全てが起き抜けの夢のような場所である。
一人の男が、見知らぬ女の部屋に忍び込む。
1960年代のアメリカ・ボストンで起きた連続婦女暴行殺人事件を下敷きした物語。
【場 所】
心斎橋 ウイングフィールド/TEL:06-6211-8427
【会 費】大人1,000円 学生500円
【時 間】19時~21時
【定 員】20名以内。
●21時から交流会を行います
*自由参加
*飲み物持ち込み可
【申込方法・お問合せ】
メール: kujira@dsk.zaq.ne.jp(くじら企画)
予約方法:件名を「一緒に読んでみよう予約」とし、
メール本文に以下情報をご記入ください。
○お名前、フリガナ ○ご希望の日 ○電話番号 ○劇集成(あり/なし)
くじら企画からのメール返信をもちまして、ご予約成立となります。
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「そのドアの向こうには、
何を待つでもなく待つ女たちの密やかな息遣いがあるだろう。」
…『ドアの向こうの薔薇』ト書きより抜粋…
by 藍田マリン
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